「逃げないで」

そうじっと見つめてくるジュディスに、目を逸らすことができない。
のびてくる手から、本当は逃げたくて仕方ないのに、彼女の視線がそれを許さない。

「ほら、あたたかい」

それは俺の頬に触れた彼女にとってか、それともジュディスの体温を感じた俺にとってか。

「幸せ、だね」
「お互いにね」

俺もジュディスも人肌にはなれてなくて、こんなにも簡単に味わえる幸せに恐怖する。

「幸せって、少し恐くなっちゃわない?」
「そうね。だから、一緒になれていけばいいのよ」







2012/2/5
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