「おかえり、セリス」

笑顔で迎えてくれる彼に、いまだすぐに反応できない。
結婚して3日。
今まで家で誰かに温かく迎えられたことなんて、シドと暮らしたあの僅かな期間しかなかったから、どうにも慣れない。
こんな風に“帰る家”というものが自分にできるなんて考えたこともなかった。
それが、彼と出会って、恋をして、結婚して、変わったのだ。
人を愛することを知り、家族がいるという幸せをもらった。
それをこの3日で十二分に感じていた。

「……ただいま、ロック」

感極まって、声が詰まってしまったけれど。
彼がにっこり笑うもんだから、この気持ちはうまく伝わったのだろう。







2012/3/9
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