ティアの気持ちには気づいていた。
彼女なりに自分を心から慕っているのがわかる。
日に日にそれが増しているのも。
でも俺は、それに応えることが、きっとできない。
主と従者、だからとかいうのじゃなくて。
きっと彼女のその想いは憧れだから。
俺は彼女にとって、兄の次に近くにいる、近い年の男の子だから。
彼女の想いはきっと数年もすれば薄れ、ちがう男に向くに違いないのだ。
近所のお姉さんに淡い恋をしていた自分の想いが、今メシュティアリカに向いているように、幼い恋愛感情とは、脆いものなのだから。
2011/12/2
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