彼女に触れる時はいつでも緊張する。
高貴な存在を目の当たりにしているかのように。
一国の王である私が、元帝国将軍に、だ。
ああしかしそのような肩書きは必要ない。
彼女とて望まないだろう。
私にとって、彼女はただ一人の愛しい愛しいお姫様だ。
大切に扱うべき、愛する恋人。
「……そんな風に触れられたら、どうしたらいいかわからないわ……こんなお姫様みたいな……」
頬を染める君がいとおしい。
「今から照れてどうする。君はいずれ私の妻になるんだ。女王となるんだよ」
彼女は顔を真っ赤にし、口をぱくぱく開いたり閉じたりする。
思わずプロポーズしてしまったけれど、遠からずするつもりだったのだから問題はない。
「セリス。ずっと、私だけのお姫様でいてくれ」
2011/12/8
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