自分のやりたいこと。
依頼人の喜ぶ顔が見たい。
でもそれだけじゃ、ギルドとしては今一つ足りない。
わかってたけど、ジュディスに問いかけられて、ハッとした。
「眠れないの?」
「うん……」
「ギルドの方針について考えているのかしら」
「うん。でも、まだ決めれそうにないんだ」
「一晩悩んだからといって決まるものではないわ。ゆっくりでいいとは言わないけれど、ギルドとしての仕事をいろいろやってみてからでいいんじゃないかしら」
そのための期間なのだから。
また、ハッとした。
ジュディスは当然のように道を指し示してくれる。
「なんかジュディスって、先生みたいだね」
「あら、そうかしら?」
「うん。けっこう向いてるかも!」
ちゃんと決めなきゃいけないことを指摘して、悩んでたらさりげなく助けてくれる。
きっと信頼できる先生になると思う。
「カロルのような教えがいのある生徒ばかりなら、先生も悪くないかもね」
想像できないけれど、とジュディスは笑うけど、ボクはけっこう本気で彼女の生徒になりたいと思った。
2012/2/26
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