それが初恋に違いなかった。
幼い頃のことだけれど、僅かに覚えている。
お父様に連れられて訪ねたお城の王子様。
年はそう変わらないはずなのに、妙に大人びていて、キラキラしていた。

「まさかあれがローレだったなんて思いもしなかったけど」
「キラキラねぇ……」

ニヤニヤ笑う顔が憎たらしい。
どうせ子どもの頃の話だから、気にすることはないんだけど。

「今でもキラキラしてるんだろ?」

悔しいことに肯定以外に思いつかない。
幼い頃出会った王子様に長い長い恋をしていたのは私なのだ。







2011/12/14
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