「不二達はいつから気づいてたんだ?」
「最初からだよ。彼女はそんな事が出来る度胸がないなぁと思ってね」
「………」
俺は不二達に聞いた。いつから真実に気づいていて、何故それに気づいたのか。
不二の理由は完全に彼の第六感によるものなので、俺には理解できない。
「手塚は?」
「俺は随分前に紗江から如月の話を聞いていた。」
「前から?」
「あぁ。何故氷帝を避けるのかを聞いた時にな。」
手塚は、前から知っていたんだ…。
紗江が氷帝を避ける理由も、この合宿には参加しないことも。
如月さんが嘘を言っていないことも。
「越前達は?桃と海堂はいつ気づいたんだ?」
「俺達は鳳に聞いたんスよ。あと日吉にも」
「鳳に、日吉?」
「はい。何か立海のマネージャー薄気味悪いなって話してたら、鳳と日吉が来て話してくれました。」
「へぇ…」
「俺は、手塚先輩と紗江先輩が話してるの聞いてたッス」
「……盗み聞きか…」
「違いま………せんけど…。」
桃、海堂は氷帝の二年つながりで。
越前は手塚と紗江が話しているのを盗み聞き。
立海の奴らを見ていると、誰が真実に気づいているのかわかる。
俺達が、あいつらより一足先に真実に気づくことが出来てよかった。
そして、一刻も早く立海のマネージャーの嘘がばれて、彼女が………如月さんが真実なんだと。
全員が気づけるような日が、一刻も早く来ることを、俺は心の中でそっと願った。
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