大石side


俺達は紗江から青学に転校してくる前の話を聞いた。氷帝にいたこと。テニス部のマネージャーをしていたこと。
そして一緒に仕事をしていた後輩の事。

今まで真面目な彼女が氷帝というものに過剰反応して、避けていた意味がやっとわかった。

俺達は紗江を心の奥底から信じている。自惚れではなくて、紗江も俺達の事を信じているだろう。

紗江の話を聞いて、如月さんは何もしていないんじゃないかという考えが頭をよぎる。

紗江は俺の考えがわかったのか、小さく頷いてこう言った。



「志帆ちゃんはそんな事する人じゃない。現にあんなに酷い事をした私を彼女は許してくれた。
私なんかより仕事は速いし、要領悪くてドジだけど。

人が傷つくことを一番に嫌う子だよ。
私の話、信じてくれる?」








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