「紗江はどうだ?」
『跡部先輩…』
ドリンクを渡していると跡部先輩は私に話しかけてきた。
今日は、いつもと違って走り回らず、一人一人に手渡しできる。
『私より、仕事速いです…。』
「だろうな」
『ひどい!!』
「冗談だ。お前より有能なマネージャーはいねぇよ」
『………ありがとうございます…。』
中谷先輩は立海と青学の二校を担当してくれた。
『どうして中谷先輩をここに?』
「氷帝を出てあいつは青学に行ったんだ。お前あんまり青学と交流ないだろ。」
『はい』
「転校してすぐマネージャーになったらしい。俺は手塚にそう聞いた。」
『手塚先輩に…。』
「俺達に会いづらくてこの合宿も棄権したが、お前の事を言ったら行くと決心したぜ?」
『そうですか……。』
中谷先輩は青学でどれだけ苦労しただろう。あの時だって先輩の仕事は速かったけれど、今はもっと速い。
どれだけ努力したんだろう。
今の青学の人達が、私と敵対してるなんて聞いてどんな気持ちだったんだろう。
そして、今。
青学の人達と笑っている先輩は、どんな気持ちでいるんだろう。
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