「貴様!!これはどういう事なのか説明しろ!!」

『さっきから言ってるじゃないですか。大浴場に落ちてた忘れ物を預かってたんです。』

「そんな嘘が通じると思うのか?ちゃんと真実を説明しろ!!!」

『さっきから言ってるじゃないですかって言ってるじゃないですか。』


どんだけ頭悪いんだよ立海は。
朝水澤先輩の部屋へジャージを届けに行くと、いつのまにか私が盗んだ事になっていて、真田さんに怒鳴られている。


「真田副部長」

「何だ赤也」

「俺、昨日の夜コイツに水澤先輩の忘れ物届けてくれって言われたんスけど断ったんです。
それ、本当にただの忘れ物ですよ」

「赤也…。」

「大体おかしいっすよ!!
さっき水澤先輩言ってましたよね!?
如月に食堂の片付け押し付けられて自分は最後に風呂に入ったって!!
なのに何でアンタが大浴場に忘れたジャージを如月が昨日の夜、風呂上がりに俺に渡せんだよ!!」

『ちょ、切原君!!』

「お前もお前だ!!
何で抵抗しないんだよ!!
何で水澤先輩に何も言わないんだよ!!
お前何もしてないだろ!!」

「赤也、君は如月さんの味方をするつもりかい?」

「幸村部長…。俺味方とか敵とか、そういうんじゃなくて…」

「じゃあ何?」

「騙されてる先輩見るのも、騙されて傷ついてる如月見るのも嫌なんです!!」

「関係ないよ。恵理子を傷つける奴はたとえ仲間だろうと敵だ。」

「…っ!!」

『切原君っ!!!アンタ達最低だ!!』



敵だと言われた切原君は、走って水澤先輩の部屋から出て行った。
追いかけるために、私も急いで部屋を出る。


『切原君!!切原君!!!』


いない。いろんな所を探したけど、切原君は見つからない。


「どうしたんだよ、そんなに走って」

『若!!切原君知らない!?』

「切原?あぁ、さっき跡部さんの部屋に駆け込んでったぞ」

『跡部先輩の?……わかった、ありがと!!』



今度は跡部先輩の部屋に向かって走る。
後ろで若が何か言ってるけど無視!!
今はそれどころじゃない!!

私のせいだ。
切原君と立海の皆がこんなになったのは…



『跡部先輩……ぎゃああああああ!!!!』

「…ノックくらいしろ…」


扉を開けると、上半身裸の跡部先輩がいた。
急いで部屋から出て扉を閉める。
あぁ、もう最悪だ。ノックすれば良かった!!


「如月…?」

『あ、切原君!!!』

扉が少しだけ開いて、顔を覗かせたのは切原君。


「何やってんのお前」

『切原君を探してたの!!切原君、ごめんなさい!!私のせいでこんなことになっちゃって』

「お前の所為じゃないだろ。どう考えたって水澤先輩が間違ってる。
俺、もうあんな先輩達見たくないから跡部さんの所に来たんだ」

『…跡部先輩と何の関係があるの?』

「コイツが、今日から氷帝のコートで練習させろって言ってきやがったんだ」

『跡部先輩!!
そっか、今日から氷帝で…なるほど…。』






「私も参加させて頂けないでしょうか」








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