誕生日:成神編
午後11時40分。
私の携帯が鳴り響いた。
着信…?誰だろう、こんな時間に…
『もしもし…?』
《あ、名前先輩ですか?》
『健也!!どうしたのこんな時間に!!』
《すいません。寝てましたか?》
『ううん大丈夫だよ』
《あの、今外に出れますか?》
『外…?』
パジャマから近くにあったTシャツと短パンに履き替えて、リビングにいるお母さんにちょっとコンビニ行って来るねと叫んだ。
玄関のドアを開けると、誰かの人影。
「先輩!!」
健也だった。
「ちょっと、近くの公園に行きませんか?」
そう言った健也は私の腕を引いて歩き出した。
何も話そうとしない健也。
公園についてからもずっと時計を気にしている。
するといきなり健也が私の顔を見てこう言った。
「名前先輩!!誕生日おめでとうございます!!」
『えっ…』
携帯の時計を確認すると、12時00分。
日付は回っていて、私の誕生日になっていた。
『あ、ありがとう…!!』
「一番最初に…誰よりも早く先輩におめでとうって言いたかったんです。
あと、これ…プレゼント……」
そう言って健也が差し出したのは綺麗にラッピングされた箱。
『開けていい?』
「はい!!」
リボンを解いて箱を開けると、中には綺麗なペンダントが入っていた。
『綺麗…』
「気に入ってくれました?」
『うん!!ありがとう健也!!最高の誕生日だよ!!』
「よかったです!!
じゃ、帰りましょうか。送りますね。」
帰りは手を繋ぎ、いろんな話をして歩いた。
家に入る前におやすみのキスをして、健也と別れた。
一番大好きな人に、一番におめでとうって言われた私は、今一番幸せだね。
*END*
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