私はゆっくりと目を閉じる。
しばらくゆらゆらと眠っているのか、はたまたそうではないのか。
そんな感覚のままだった。


何かに促されるように瞳を開くと、一番最初に視界に入ったのは果てしなく青い蒼い碧い空。

体を起こすとそこは何処かの建物の屋上だった。
自分の身なりを見ると、制服を身に纏っている。という事はここは学校か何か?

散策をするため今いる場所から離れた私は適当に歩いた。ここは学校のようだ。クラスのプレートが教室の上にぶらさがっている。

一番下の階まで下がると、下駄箱らしきところに誰かが立っていた。ここは校門のようだ。



「名前さん、遅いっすわ。俺がどんだけ待ったと思ってはるんですか。」

『ひ、かる…』

「もしばあちゃんの姿んままやったらどないしようかと思いました。」

『光、怒ってる…?私だけ、生き残ってしまった事…怒ってる?』

「何アホな事言ってはるんすか。怒っとったらこんな所で何十年も待ってませんよ。」

『本当?』

「おん。さ、帰りましょうか。今日は手繋いで。」

『…うんっ!!』




差し伸べられた手をとりぎゅっと強く握る。光の大きな手は、とても温かかった。








生まれ変わってもう一度二人で








《俺がおらん間何かありました?》
《んー特には…、あ。》
《何スか》
《蔵に口説かれた》
《…あの変態、こっちの世界に来たらもう一回あの世に送ったる。》




**********

補足↓
財前が亡くなってから自分の生を全うした名前さんは、転生(という訳ではない気がしますが…)してあの世で財前にまた巡り会いました。
そして生前名前さんに手を出そうと目論んだ(笑)白石は、きっと財前に報復を受けるでしょう。
という設定でした。

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