『もう、風邪なのになんでキスなんかするのよ』

「したかったんだもん」


あの後、おかゆを作って持って行き
薬を口移しで飲まし、寝かしつけた。
次の日、もう良くなったのか名前はいつもの待ち合わせ場所に来ていた。


『うつっても知らないからね』

「名前が看病してくれるだろ?それから、今日は部活休んでいいよ」

『え、なんで!!?』

「名前が風邪引いたのは仕事のしすぎだからね。体を休めることも大切だ」

『違うよ…』

「何が?」

『私が風邪引いたのは、精市が……足りなかったからで。最近、あんまり二人の時間なかったでしょ?』

真っ赤になって俯く名前。ホント、可愛いよな。



「名前…今日さ午前の授業サボっちゃおっか」

『……うん、精市大好き!!』

「俺も、大好き」






俺達は教室には向かわず屋上へ向かった。




お熱な彼女は甘えん坊


(もうちょっとこっちにおいでよ)
(…恥ずかしいからこれでいい…)
(昨日はあんなに素直で可愛かったのに)
(だって熱だったから…)
(もう一回風邪引いとく?)
(嫌)




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