「おはようさん苗字」

『おはようございます、忍足君』

「何やねん、それ」


『別に』




とりあえず、反抗します。
表向きは岳人と付き合ったことにして、私は侑士のことを“忍足君”と呼ぶことにした。


『じゃ、忍足君』


そう言って私はその場から立ち去った。
もし、これで侑士が私と岳人が付き合うのを了承したら?

私は完全に侑士に嫌われたことになるの?



それは、やだな……


侑士とは一緒にいたいよ…


「あ、はよ!!名前」

『岳人…!!おはよう!!』


「お、侑士もいたのか。あ、そうそう。俺達付き合うことにしたから」

「は…?」

「なっ、名前」

『う、うん…!!』



「アカン…」

「は?」

「アカン!!ちょっと名前借りてくで!!」

『え、ちょ!!!』




侑士がいきなり私の腕を引っ張った。
侑士は歩いてるつもりかもしれないけど、私にとってはほとんど走るに近い。


すごい疲れるんだけど……



『ちょっと、忍足君!!』

「……」

『ねぇってば!!忍足k「やめぇや!!!」っ!!』



「忍足君って呼ぶの、やめろや」

『何で?私岳人と付き合ってるんだよ?忍足君には関係ないでしょ?』

「関係あるわ」

『はぁ?』

「俺、お前がおらへんと本当にアカンねん。
何で岳人なんや…。俺じゃアカンのか?」


『……逆に聞くけど、私だけじゃ駄目なの?』

「は?」

『だっていっつも女の子に優しくしてデレデレ鼻の下伸ばしちゃってさ!!何でほかの子に優しくするの!!?私じゃ、駄目なの…?

料理うまくつくれないから?
爪とか、お化粧きれいじゃないから?
素直じゃないから?』


「関係ないわ、そんなん…。俺には、名前がいればいい。それだけでええんや」

『……馬鹿。次やったら本当に絶縁だから』

「わかってるわ。好きや、名前」

『うん、私もだよ侑士…』



やさしくしないで
私だけに優しくして





(なぁ、跡部!!この部則変えようや!!)
(何でだよ)
(アカンねん。これあったら俺の人生おわんねん)
((何やってんの?))
(忍足が部則を変えろってうるせぇんだよ)
((部則?どれ?))
(これや)
((“全ての女子生徒に優しく接すること”…何これ…)
(跡部が作ったんや!!)
((何のために?))
(知らんわ!!)
((じゃあ今まで女の子に優しくしてたのって))
(これのせいや!!)
((本当の女たらしは、侑士じゃなくて
跡部じゃん!!!!))







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マイ様リクエストの忍足でした。
リクエストくださったマイ様!!ありがとうございました!!

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