離れられない



苗字さんは、泉君が好きなの?



授業中、さっき言われた事が頭の中をぐるぐると回っていた。

昼休み、担任にクラスに配布するプリントを取りに来いと言われて取りに行き、手を洗って田島達のところに行こうとした所で、私は同じクラスの橋本さんに呼ばれた。

彼女は私を屋上へつれてきた。
そして彼女は冒頭の台詞言った。



「ねぇ、苗字さんは泉君の事が好きなの?」

『え…何で?』

「だっていつも一緒にいるし、それに泉君に告白したら、断られたの。好きな奴がいるって。それ苗字さんの事だったよ?」

『そんな訳…。』

「好きじゃないんだったら、これ以上泉君に近寄らないでよ!!!」




私は孝介といつも一緒にいた。
いつも、いつでも孝介は私のそばにいた。
私は孝介の事、どんなふうに思ってるんだろう。好きなのかな…?

いや、でも好きなのは好きなんだよね…。
でもそれは彼氏彼女の好きなのかな…。



橋本さんが言ったように、恋愛感情の好きでもないのに一緒にいたら、本当に孝介の事が好きな人に申し訳ないよね。



でも、私は孝介から離れられるの…?

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