過去の話


私が名前と出会ったのは小学生のときだった。



名前は転校生。
学級でクラス委員を務めていた私に名前が慣れるまで一緒にいるようにと担任の先生から頼まれて、少しの間だけだと思って一緒に時間を過ごした。


夏「雷門夏未です。
このクラスでクラス委員を勤めています。
名字さんよろしくね。」

社交辞令。
すぐに私から離れていくのはわかっていたことだったから

別にどうでもよかったの
なのに名前は


『夏未ちゃんって言うの?
わぁ!!私ね名字名前!』



知ってるわよ。
さっき先生が紹介してたじゃない。



『名前って呼んで!!』


夏「えっ?」


『私は夏未って呼んでもいい?』


驚いた…

この子馬鹿なのかしら。
周りの子達ドン引きじゃない


夏「だめ。」


『どうして?』


…本当に馬鹿なのね。
聞き返してくるだなんて。


夏「自分の名前嫌いだから」


『大丈夫』


夏「何がどう大丈夫なの?」


『私が好きにさせてあげるから』



一体この子の思考回路はどうなってるの…



『だから、よろしくね夏未ちゃん』



今まであったこともない
面倒だと思っていた変な子が

私の最初の親友になるなんて
思ってもいなかったのよ?名前

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