最後の晩餐(シエル+セバスチャン)

*アニメ最終話の最後のシーンの直後の妄想(?)話(シエルの魂は取られる、という前提で。解釈は人各々だと思いますが…)
*重シリアス

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正直、声も出なかった。


――痛くしてくれ


そう言ったのは他でもない僕であり、勿論覆す事は奴も何より自分自身が許さない。

だからこそこの眼に、魂に、体に、全ての痛みを刻み込み、この世への憎しみ等忘れる位世界で一番最悪な最期を迎えたいと、そう思ったんだ。


最中ギリギリ息を保ちながら体がじわじわと喪われて行く様を長らく見つめていた。

これが僕なんだ、と。



それから暫ち、痛みはいつの間にか消えていて、心なしか呼吸も少しマシになってきたのだが意識がぼんやりとしてきた。


「そろそろ限界でしょう、目を瞑れば楽になれますよ」

嗚呼、馬鹿な悪魔め。

人間が傲慢だと言ったのはお前じゃないのか。

この程度じゃ足りない事はお前だって、知っているだろう?






「貴方の憎むべき相手は己自身、…人間は人間らしく生きれば良いのです」



薄れ行く景色の中、お前がそう言った気がした。

 
最後の晩餐



(最後の晩餐は痛み、憎しみ、欲望があれば充分だ。)






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