・Twitterお題より ・ネタ溜めの様なものなのでとんでもなく短いです ・かなりぬるい表現含 ーーーーーーーー 「ふ、」 お酒が入ると悠太くんは少しだけ表情に緩みが出る。それがアルコールの仄かな匂いと交ざって、悠太くんがぼんやりとして来るからまた放っておけなくなる。普段彼が私を放っておけないって言うのもこんな感覚なのだろうかと脳裏の隅に置きながら、玄関に座り込む彼に手を差し伸ばした。 「お帰りなさい、お水飲める?」 「大丈夫、です」 「駄目だよ、悠太くん酔って……っ、きゃ…!」 伸ばした手を悠太くんは指を絡める様に触れた後、引き寄せる様に腕を引くとバランスを崩して悠太くんの腕の中にすっぽりと埋まってしまった。甘ったるいお酒の匂いで噎せ返りそうになり乍らも、悠太くんの体温が酷く熱くて。序でに自分の心拍数がやたらと耳をついて酷く煩く、時がゆっくりと過ぎるのを待つしか出来なかった。 「高橋さん、お酒の匂いだけでもダメだったっけ…?」 「え、ううん!大丈夫!」 「酔ってないのにオレより顔、真っ赤。」 熱い筈の彼の指先が頬を伝うと既に体温は感じ無かった。無表情の中に微かに穏やかな微笑を滲ませながらもふふ、と鼻に掛かった様な笑い声を漏らすとこつり、と額をくっ付けてぽつりと、あまり抑揚の目立たない声色が鼓膜を擽った。 「そ、んな事……っん、」 ゆっくり、ゆっくりと顔を出し近付けると遂には言葉を奪う様に唇を塞がれた。くらり、と眩暈の様な感覚と共に口の中に緩やかにアルコール特有の苦味と熱が混沌して、少しだけ不安になって悠太くんのシャツの裾を掴んだ。 「……っ、ん」 「そんな事無く無いでしょ。」 (酔いに微睡む。) 眠気と酔いが混ざり合って丁度良い。 2013/03/30 12:56 |