頭では分かっているつもりなのに、鼓動はどんどん早くなっていく。
彼は私の事をどう思っているのだろうか。
『あ…』
幸せな時間はあっという間。今起きた事を頭で整理し終える前に自分の家に着いてしまった。
『あの、送ってくれてありがとう』
「ああ、どういたしまして」
『じゃあね!』
まだ少し動揺していて、わざとらしく元気にそう言った。
すると、彼はまた私の頭を撫でて…。今度ははっきりと、彼が優しく笑う瞬間を見た。
「また明日な」
そう言って、彼は手を挙げて去って行った。
まただ、また決意が緩んでしまう。
『あれ…?』
ふと気付く。
『飛鳥くんって確か寮…』
わざわざ送ってくれたの…?
元々ある彼の優しさ故に送ってくれたのか、はたまたは別の…
彼の心が読めない。
『期待していいの…?しちゃうよ…?』私の望む居場所は
(あなたの隣)
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