頭では分かっているつもりなのに、鼓動はどんどん早くなっていく。

彼は私の事をどう思っているのだろうか。


『あ…』


幸せな時間はあっという間。今起きた事を頭で整理し終える前に自分の家に着いてしまった。


『あの、送ってくれてありがとう』

「ああ、どういたしまして」

『じゃあね!』


まだ少し動揺していて、わざとらしく元気にそう言った。
すると、彼はまた私の頭を撫でて…。今度ははっきりと、彼が優しく笑う瞬間を見た。


「また明日な」


そう言って、彼は手を挙げて去って行った。

まただ、また決意が緩んでしまう。


『あれ…?』


ふと気付く。


『飛鳥くんって確か寮…』


わざわざ送ってくれたの…?

元々ある彼の優しさ故に送ってくれたのか、はたまたは別の…

彼の心が読めない。


『期待していいの…?しちゃうよ…?』




私の望む居場所
(あなたの隣)






3/3





back