小説 | ナノ

 

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三、守られる二つ星


金属と肉の切れる音が響く中、襲い掛かってくる残党を次々に始末していく。俺の左手には鈍く輝く長剣が。サントリナの両手には鋭く光るレイピアが握られている。戦いに特化しているとは言えない装備だが、十分に戦える。

あの二人がいる部屋へと周り道をしてきたが、襲い掛かってくる敵の数からするとすでにあの部屋には何人か入っているかもしれない。そう考えてしまうたびに足は動きを速くして……


「二人ともっ!」


扉を蹴破った瞬間に見えたものが、ただの肉塊でなくてよかったと心底思った。二人の近くに野党は数人いたが、まだ怪我はしていない。



片付けるのにものの数秒。ベッドの周りには赤がチラつくが仕方ない。
「大丈夫か?」
「……はい」
頷く二人に安堵した。だが、怪我はないようでも恐怖しなかったはずがない。よく耐えたという想いをこめて、また一人ずつ頭を撫でてやった。


「サラ様、私は外を見てきます」

「ああ、わかった」


サントリナの言葉に頷き、二人の様子を伺う。


「怖かったか?」

「っ!!」


ぶんぶんと首を横に振る二人が面白くて笑ってしまった。愛おしいと思う気持ちが強くなってくる。まるで実の息子と娘のようで胸が温かくなった。そしてそれと同時に自分の一人息子の顔を思い出す。今は何をしているのか、生きているのか、幸せか、そんな考えが頭を占めていた。
それがいけなかった、とはいわないが、


「……!」

「うしろ!」


鈴色の声が聞こえたときには手遅れで、頭に鈍い衝撃が走った。殴られた、という認識よりも先に、守らねば、という思考が先に立つ。すぐさま左腕を後ろへと振り、今度こそ止めをさす。頭は、痛いままだ。

二人は無事か、それを確認しようとしたが視界が回ってよく見えない。
意識がそこで白に溶けていった。





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