Gift | ナノ

□りり様


9ページ/11ページ

「春奈さん…ホントに泊まるの?」
吹雪さんのその質問に、私は彼の胸に埋めていた顔をムっとして上げた。
「…嫌なんですか、私と寝るの。」
言ってから気付いたが、"寝る"と言っても別にいかがわしい事をする訳じゃない。
健全に。
ただ一緒のベッドで寝て、朝起きるだけだ。

「いや…そうじゃないけど……ただ…」
少しだけ身体を起こして吹雪さんは言う…
「…ただ?」
私も彼と同じだけ身体を持ち上げた。
「…うん…、バレたら…マズいかな…って…」
苦笑する吹雪さん。
まあ確かに……バレたらマズい。
何故ならここはFFI日本代表イナズマジャパン専用宿舎…の、吹雪さんの部屋。
つまりこの宿舎には私達だけでなく、イナズマジャパンのメンバー皆が居るのだ。
そんな中私は吹雪さんの部屋を尋ねた。
枕持参で。

「大丈夫ですよ。朝早く起きて自分の部屋に戻れば問題ないです!」
そう、皆が起きる前に起きて自分の部屋に戻ればいいのだ。
それに、何より今夜は……

「だけど、さ…。年頃の女の子が男の部屋に泊まるのはさすがに…わ!?」
言いかけた吹雪さんに抱き着いた。
その勢いで私が吹雪さんを押し倒す形になったが、そのまま彼の胸に顔を埋める。
「は…春奈、さん?」
「…今日は、一緒に居たいんです。吹雪さんと…。」
ぎゅう、と彼を抱き絞める腕に力を少し込めた。
ドキドキと脈打つ吹雪さんの鼓動が聞こえて私の胸がきゅう…っと締め付けられる。
「…会いたかった、です。」
あ、何か泣きそう…
でもだって…会いたかったんだもん…。
吹雪さんが怪我で離脱して…代表に戻った今日までが…私にはとても長くて…
電話で声を聞いてても、やっぱり会いたくて…触れたくて、触れて欲しくて…
とにかく会いたかった。
だから今夜だけは、離れたくないんです…

「…僕も、会いたかったよ。」
吹雪さんはふわり…と、私の頭を優しく撫でる。
顔を上げるとおでこに柔らかい感触。
照れ臭そうに微笑む吹雪さんに私はさっきおでこにキスをされたんだという事に気付き、かあっと顔に熱を集中させた。

「…おでこだけ、ですか…?」
不満そうに私がそう言うと、吹雪さんは困った様に笑った。
「うん。今日はおでこだけにしとくよ。」
はい、と腕枕を差し出す吹雪さん。
まだ不満そうな顔で私がそこに頭を埋めると、吹雪さんは私を引き寄せて抱きしめた。

「…久しぶりに会ったのに、おでこだけなんですか?」
我ながらしつこい。
でも、だって…あそこまでしておいてお預けなんてずるい…。
そう頬を膨らませる私に吹雪さんは耳元で優しく囁いた。

「…だって、歯止めが効かなくなったら困るでしょ?」

その言葉に、湯気が出そうな程赤くなった私の顔を見て吹雪さんはとても優しく微笑んだ。

「…やっぱり吹雪さんはずるいです。」
でも、だけど…
やっぱりそんな貴方が…

「吹雪さん、だいすき。」
「僕も、だいすきだよ。」

吹雪さんは、もう一度私のおでこに優しいキスを落とした。


※※※※あとがき※※※※
キリ番800
りり様リクエストで、ラブラブな吹春です。

……ラブラブ、に…なってますでしょうか…?汗
ち、違うかな…?(;´`)

とりあえず付き合ってる設定で…吹雪が日本代表に復帰した日をイメージして…書かせて頂きました。

りり様のみお持ち帰りフリーです。
リクエストありがとうございました〜(^▽^)
よろしければまたどうぞ♪

9ページ/11ページ





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -