Saisons | ナノ

音の答え

立ち入り禁止の屋上。
しかしそこにはたまに人の影がある。



よく晴れた日の放課後ほこうしてたまに屋上に来る。
発声練習のためでもあるんだけど、風に当たって音の世界に入りたい。そんな時のほうが多い。

冬「最終更新から1年か…」

秋羅の好きな野球漫画のオープニングを歌ってから。
それから、閲覧数やコメントも以前よりも来るようになって、がんばろう、そう思ったら声が思うように出せなくなった。

♪〜〜〜

鼻歌ならいつもどおりなんだけどなぁ。



翌日。

冬「雨かぁ…」

春「雨って気持ち落ち込むからヤダよな。最近冬麻落ち込んでるみたいなのに」

冬「…え?」

春「だって鼻歌歌わないから」

冬「あー。そう、だね」

秋羅も春陽も俺の機嫌の判断が鼻歌って。
間違ってはないんだけどちょっとおちこむな。

春「で?どうしたの?聞くよ」

俺は歌えないことを「友達の事」にして春陽に話した。
真剣に、真剣に聞くもんだからついつい隠してるところまで話そうになったけど。

春「それじゃあさ、何も考えないでさ歌ってみたら?」

何も考えない?

春「いろいろ考えるから楽しめないんじゃないかなって。そう思ったんだけど」

冬「そうか。そうだね!ありがとう!」





その日はずっと雨だったけど、翌日は嘘のように晴れた。

今日の放課後は屋上で歌おうかな。
そうだな、いま春陽や秋羅だけじゃなく夏音も聞いている曲でも。

『音』を『楽しむ』で、音楽だからね。
自分が楽しまないと。もともと趣味で始めたものなんだし。

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