Saisons | ナノ

0511

母の日が近づくにつれて俺が思っていたことだある。
去年はまだあって間もなかったから気にしかったけど、日に日にこう思うようになった。

春「んー。去年のさ、始まったときから思ってたけど」

秋「始まったとき?」

夏「そこは気にしない方がいいですよ」

秋「ん?うん」

夏音ナイスフォロー!
俺達年とらないもんなぁ…。

夏「それで、思っていたことってなんですか?」

春「冬麻ってさなんか母さんみたいだなって」

秋「あぁ。言われてみたらそうかも」

夏「彼の雰囲気でしたらそうですね」

秋羅も夏音もなんとなく俺の言ったことを理解して、わかると言ってくれた。

春「でさ!今日って母の日じゃん!?『冬麻いつもありがとう会』しようよ!」

秋「いいな、それ。俺達いつも冬麻に頼ってばっかだからな!」

夏「頼ってばっかりなのはあなたたち2人だけでしょう」

夏音は呆れながらそう言う。
だけど、決まってこういうときは俺たちと一緒にバカみたいなことをやってくれる。
だから今回も一緒にやってくれるよな。

春「よし!そうと決まったら放課後俺の家でやるか!」

そこまで決定したら冬麻が教室に入ってきた。

冬「おはよー」

春「おはよっ!冬麻!今日の放課後俺の家集合な!」

冬「あ、今日は俺…」

秋「なんかあんのか?」

冬「ううん。ちょっと家に帰ったらお邪魔するね」

夏「待ってますね」

もしかして、なんか用事あったのか?
母の日だしなぁ。冬麻だったら何か用意して渡しそうだしな。



それからあっという間に放課後になった。
冬麻だけ一回家に戻るから、俺達は曲がり角でいったん別れる。
そして俺達はその間に冬麻に渡すものを準備する。

夏「ところで、冬麻くんには何を渡すんですか?」

春「そうだな。何がいいと思う?」

夏「そうですね。男性に花を送るのは少し気が引けますね。冬麻くんに送るのでしたらなんでも喜んでくれそうですけどね」

秋「そうだ。少し予定狂うかもしれないけど、春陽の家に近くにすっげーきれいなとこあんだよ。そこに連れてかね?」

春「それいいかも!冬麻きれいな景色好きだし!」

夏「それじゃあ、冬麻くんが着いたら行きましょうか」

結局送りものは無いけど、こういうのは気持ちだって言うしいいかな。



しばらく俺達三人は冬麻が来るまで俺の部屋で待っていた。

───ピンポーン

ちょうどすることもなくなってきた頃にインターホンが鳴る。

春「よし!秋羅の案内でどっか行くぞ!」

冬「ちょっ!どっかってどこ!?」

春「さぁ?」

いきなりの事に焦った様子の冬麻。
それを見て笑いながら返事をすると、もっと焦った。

しばらく経つと「もう黙って着いていこう」って諦めたっぽい。

秋「着いたよー!」

冬「……!」

秋羅が目的地に着いたことを言うと冬麻は顔を上げた。
するとすっごい目を輝かせた。

春「冬麻!」

俺が「せーの」っていってタイミングを合わせる。

『いつもありがとう!(ございます)』

3人で気持ちを伝える。

冬「……?」

春「今朝な『冬麻って母さんみたいだな』って話してな」

秋「それでさ、母の日だから感謝の気持ち!」

俺と秋羅が訳を言うと、冬麻がいきなり笑い出した。

冬「ありがとうな」

今度は泣きながらお礼を言われる。
笑ったり泣いたり忙しいな。

春「ってことでこれからもよろしく!!」

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