Saisons | ナノ

1014

『今すぐ公園のバスケのゴールのとこシューゴー!』

そんなメールが秋羅から一斉送信で送られてきた。
偶然にも俺はその公園にいる。
一人でカラオケに行くときに近道だからよくこの公園を通る。
そう。通るだけの予定だったんだけどなぁ。
カラオケはいつでも行けるし、今回は秋羅に付き合おうかな。何するか分かんないけど。

あ、ちなみに今日は体育の日で学校は休み。
そろそろ歌もあげたいから練習しようと思っていたけど、こういうことだからまた今度。

冬「と、まぁ来てみたものの。呼び出した本人すらいないね」

皆の家はそう遠くはないから少し待っていると、リュックと背負ってボールをもった秋羅が来る。

秋「冬麻早いね!」

冬「たまたまここにいたからね」

秋「それじゃあ、あとは春陽と夏音だけだね」

秋羅はじっとしていられないのか持って来たボールをドリブルしたり、たまにシュートしてみたりする。

さっきから気になってるんだけど、リュックの中身はなんなんだろう?
だいぶパンパンに詰め込んできている。

「やっほー!」「休みの日に呼び出しってなんですか?」

春陽は遊ぶの好きだから元気だけど、夏音が若干機嫌が悪い。

秋「いやー、家でボールとか色々見つかったから皆で遊ぼうかなって!」

そしたらなんか色々気になっていたリュックから出てきた(四次元ポケットみたい)。

秋「で!負けたらジュース奢り!」

春「いいね!やろっ!」

夏「仕方ありません。でもやるからには負けませんよ?」

はぁ……。
どうして負けず嫌いが揃ったかな。
まぁ、金欠になるのだけは避けたいから?俺も頑張るけどね。

秋「それじゃ、最初はフリースロー。一人五本ね!一番少ない人が負けね!」

そして、一番多い人にジュースを奢るらしい。

順番は
俺たちが偶然共通していた季節。
春(陽)→夏(音)→秋(羅)→冬(麻)
の順番でやることになった。

結果俺が四本、夏音が三本、春陽が二本、秋羅が一本ということに。
言い出しっぺがこういうことになるのは俺たちの中ではよくあること。
おもに春陽と秋羅なんだけど。

秋「負けたのは仕方ないし、なに飲む?」

冬「うーん。水かな」

秋「あぁ!いつもの!買ってくる!」

そういうと、すごいスピードで走り出す。
その間俺たちは、リュックの中身を覗いた。

そのなかには、縄跳びとか、フリスビー、バドのラケットとシャトル。他にも色々入っていた。

秋「買ってきた!でさ、呼び出しておいて悪いけど、俺急用!ごめん!」

相当急いでいたのか、俺に水だけ渡して、荷物を全部おいてどこかに行ってしまった。

春「置いていっちゃったけど……荷物」

夏「どうしますか?」

冬「俺持っていくよ。財布以外持ってきてないから」

二人とも鞄持ってるのに持っていかせんのもなんか悪いと思って、明日まで俺が預かるとこになった。



それにしても、「いつもの」って知ってたんだ。



そう思いながら俺は鼻唄を歌いながら来た道を戻る。

prev / next

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -