てんもんぶ | ナノ


side時雨

「それじゃあ転校はしなくてよくなったの?」
「うん。直ちゃ……あ、直人とお母さんが昨日話したみたいで、僕たちは直人の家にお世話になるんだって」
「ふーん」
急に瑠李ちゃんに呼出されて驚いたけど、瑠李ちゃんも僕達の転校の心配してたのかな?
会ってすぐに聞いてきたし。

そういえば、こうして2人だけっていうの初めてだ。
いつもは天文部のみんなと一緒にいるし、瑠李ちゃんとはクラスが違うからな…。
「私達2人だけって初めてじゃない?」
「うん。そうだね。僕もちょうど思ってたんだ。いつも皆と一緒だもんね。……あまりこういう機会ないと思うし、2人で遊びに行く?」
直ちゃんとお姉ちゃんと遊びに行っても、海仁や蒼依ちゃんと会うことが多い。
だけど、瑠李ちゃんと遊んだことはなかったかな。
「あんたが暇なら別にいいけど」
「じゃあお願いしようかな」
どういうところが好きかな?
雑貨屋さん?CDショップ?
どこに行ったら喜んでくれるかな?
「どこか行きたいところある?」
「ないわよ?時雨が行きたいところに付き合うわ」
んー。行きたいところかー。
そういえば、直人があと1ヶ月くらいで誕生日だ。
「そうだ。直人の誕生日プレゼント選ばない?」
「いいけど、9月じゃなかった?」
「だけど、今年はどんなのにしようか悩んじゃって」
「でも早すぎじゃない?ま、いいけど」
「ありがとう」
それから僕たちは2人で待ち合わせをした喫茶店を出て街でいろんなものを見た。

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