てんもんぶ | ナノ


第2章 夏休み編

side琴葉

夏休みの合宿が終わって家でのんびり……って、そうしたいんだけど、急に引越し、転校することになった。
私は自分の部屋で荷物をまとめている。
時雨もまとめなきゃいけないんだけど、朝からどこかに行っちゃったから時雨の分もまとないとなぁ。
「あ、宿題ってどうしたらいいのかな?まぁ終わってるからいいか」
返事はあるわけもない。1人でいるんだからあった方が怖いんだけど。
2週間もみんなといて賑やかだったからかな?静か過ぎてさみしい。
そう思いながらまた部屋の荷物をまとめる。

そのうちお母さんも帰ってきて、合宿中に電話が来た時から考えていたことを話してみた。
「ねぇお母さん。話があるんだけどいい?」
「話って?」
「神奈川だけど、行きたいけど、行きたくない。今は時雨も含めて、天文部の人達と一緒にいたい。ちゃんとあの学校を卒業したい」
しばらく黙り込んだと思ったら、クスクスと笑い声が聞こえた。
「そうだと思っていたわ。時雨も同じこと言うし……。でも、貴方達2人だけを置いていくわけにはいかないの」
「だけど……!」
「お願いだからついて来てくれる?」
その時のお母さんの顔は断ったら泣き出しそうな顔で頷くしか私にはできなかった。

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