てんもんぶ | ナノ


「あ、お姉ちゃん寝ちゃった…」
さっきまで転校したくないと、泣いていた琴葉はいつの間にか寝てしまっていた。
本当は明日にでも言おうとしていたことだけど、琴葉に聞かれない今話す事にした。
「時雨、もし俺から転校させたくないって言ったら聞いてもらえると思うか?」
「うーん…どうだろう。でもお願いしたい」
「確かこの合宿が終わった後1日休んでから友達と明日遊ぶって前に嬉しそうに話してたから、その日皆で時雨の家に行ってもいいか?」
俺だって琴葉には転校してほしくない。
これはここにいるみんな同じ気持ち。
時雨も琴葉も転校したくないといった。
「うん。お母さんに言っておくね」
「あぁ」
それよりもさ、と久しぶりに蒼依の声を聞いた。
「2人の家はどうするの?」
「それは俺の家の空いてる部屋使わせるから大丈夫だ。つか声出るようになったんだな」
コクンと蒼依は頷く。
これからちょっと大変だけど、とりあえず今は蒼依の声が出るようになって良かった。


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