てんもんぶ | ナノ


蒼依の声はまだ出ないまま夜になり、晩飯を食べ終わった頃。
皆でテレビをみていると、外から何か声が聞こえた
「なぁ、何か声が聞こえなかったか?」
それは微かだっため俺の勘違いだと思い聞いてみる。
「え?どんな声?」
「どんなって…何かの鳴き声みてぇな」
思い出そうとすると、また外から聞こえた。
今度は皆にも聞こえたらしい。
「もしかして…ねこ、かな?」
耳のいい時雨がそう言った。
それを聞いて琴葉は何かを思い出したみたいで、声をあげる。
「そうだった!ちょっと待ってて!捕まえてくる!」
捕まえるって、お前な…



あいつが走って外に出て数分。
腕のなかには小さな猫がいた。
「この子ね、私たちがここに来たときからたまにここに来てたの。何か捨て猫みたいでさ」
「まさか…」
琴葉の話を聞いて海仁の顔が青くなる。
「その…部活で飼えないかな?」
「お前らの家で飼うことできねぇのか?」
さすがに猫が苦手な海仁がいるのに部活で飼うのはかわいそうに思えたから、一応聞いてみる。
「うちじゃあ無理かな…」
俺はほとんど独り暮らしに近い生活をしているから飼おうと思えばできないことはないが、どうやら琴葉は部活で皆で飼いたいと思っているみたいだ。
『私飼えるよ?部活終わってから朝までなら大丈夫』
蒼依が何か書いていると思ったら…


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