てんもんぶ | ナノ


それから今日1日、蒼依は俺たちと筆談で話をしていた。
海仁はまだ、心配しているみたいで、ウザイ。
「そろそろ天文部らしいことしないか?」
隣で煩い海仁を黙らせるために、いままで黙っていたことを言って、話題をそらす。
「うー、まぁ、そうだな…」
珍しく今夜は星を見ることになった。



それまでの間、やることのない俺たちは夏休みの宿題を片付けることになった。
「かいとー、化学教えてー!」
「いいけど、時雨得意じゃなかったか?」
そう、身内の時雨が得意なのに、なんで海仁に聞きに行くんだ?
少し琴葉の性格を考えると、答えはすぐに出た。
あいつはあいつなりに海仁を元気付けてやろうとしている。
蒼依が全然気にしていないのに海仁がいつまでも心配ばかりして暗い顔をしているから。
「海仁の方が教え方うまいんだもん!」
「教えてやってもいいんじゃないか?時雨は瑠李に教えてるし、な?」
俺がそう言って無理矢理、琴葉に海仁を預けた。


prev / next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -