てんもんぶ | ナノ


さすがに山の中の夜。長い間外にいると少し肌寒いな。
「そろそろ琴葉も私たちも中に入らないと風邪引くけど?」
「わ、わりぃ。そんじゃお前ら先戻っててくれ。俺は琴葉もつれていくから」
天体観測なんてした感じしないけど、風邪引くと困るから、あいつらが家の中に戻ったのを確認して、琴葉を起こす。
「琴葉。部屋つれてくから自分で歩くか、俺の背中乗れ」
「んー…………」
返事だけして両手を伸ばす。
小さい頃から誰にでもおんぶをねだるときはこうだった。
「ありがと……」
「おう」
ヘラっと笑うとまた琴葉は寝息をたてた。


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