てんもんぶ | ナノ


琴葉は読書感想文、海仁は数学の課題が残っていた。
感想文の琴葉は前に瑠李から借りた本をかくという。
「だったら、内容覚えてるから手伝うわよ」
「瑠李ちゃん、ありがと!」
そして、海仁の課題は俺と蒼依が手伝うことになった。



課題を始めてから1時間。
琴葉は瑠李のおかげでもう少しで終わりそう。
でも、海仁が全然進まない。
バカっていうわけでもないけど、数学だけ極端に悪い。
他の教科は70点くらいはふつうに超えるけど、数学は最低で5点だった時があった。

課題はただ50問の問題を解くもの。
苦手だっていうやつも少し頑張れば数日でできそうなやつ。
『あのさ、不思議だったんだけど。何で数学は駄目なくせに、科学とか物理はできるの?』
「俺も思ってた。なんでだ?」
科学も物理も計算は使う。
そんな科目を何で海仁が普通にできるのか、教えていて不思議に思っていた。
「さぁ?俺もよく分かんねぇけど、たぶん数学より単純だからだと思う」
「あぁ」
俺と蒼依、2人で何となく納得した。
にしても、飲み込みは早いから公式をつかうことは理解している。
ただ、使う公式が分らないだけか。
「これはこっちの公式。こっちはこれ、これも一緒な。」
「?う、うん」
急に教え方を変えたのに海仁は驚いていたけど、俺が言った公式をつかってスラスラ解いていた。
『海仁ってどの公式使っていいかわからなかっただけ?』
海仁が解いてる間、静かに蒼依が聞いてきた。
「俺もそう思ったから変えてみたら…」
ちらっと、海仁のほうを見てみたら、もう終わっていた。
それも全問正解で。
「できるな」
俺と蒼依の今までの苦労はなんだったんだろう。

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