てんもんぶ | ナノ


=庭=

本当、海仁ん家はすげぇな。
天文部6人じゃ広すぎるこの庭はどこか寂しい気もした。
「琴葉ー!」
「なーにー!?」
広すぎる庭に時雨たちとトランプをしているときに呼び出した琴葉の姿はなく、声だけ聞こえた。
「うわっ!!」
「っと!」
琴葉を探してちょうど木の下にいたら上から落ちてきた。
そしたら、俺が琴葉をお姫様だっこするような形になった。
「大丈夫か?」
「あ、うん?ありがとう。もう下ろして大丈夫だから」
「お、わりぃ」
「ん。この子治せる?」
琴葉の腕の中に小さな猫がいて、その猫は足を怪我していた。
「あぁ。ちょっと待ってろ」
そう言って俺は家の中から救急箱を持ってきて子猫の足を手当てした。
「これでよし。しばらく他の連中にも言って面倒みてれば良くなる」
「ありがとう!」
琴葉は俺に笑って礼を言って、視線をまた猫の方にやって「良かったね〜」て言う。
そのとき俺は琴葉の笑顔をみて、海仁の気持ちが分かったような気がした。


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