てんもんぶ | ナノ


そう言ったのは瑠李だった。
「え〜、どうして?」
やらないという瑠李の顔を時雨がのぞき込むようにして聞く。
瑠李は顔を真っ赤にして
「どうしてって、海仁が忘れたのに私がやる必要ないでしょ?」
とそっぽを向いて言う。
自分じゃ隠しているつもりなんだろうけど、瑠李って時雨のこと好きだよな。
「そっか、瑠李さんとやったら楽しくなると思ったのにな…」
時雨が眼に見えてしょぼんとすると、瑠李は困ったようにあたふたする。
「で、でもこういう経験ってあまり出来ないと思うからやらない、ことも……ない」
瑠李が照れくさそうに言うと、時雨は喜んで、瑠李の腕を引っ張って琴葉や海仁のところに行った。

そして、木陰では蒼依が寝ていた。
「おーい。お前はやんないの?」
俺は蒼依の横に座って聞いてみた。
「んーzzzたぶん私がやらなくても大丈夫」
まぁ、4人で釣ってれば今日の分だけでも釣れるってことか?
てか、また寝言か。
ホントは起きてるんじゃねぇかなって思うんだよな。


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