Diary
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春「さきさかあきら」
秋「ん?どうした、春陽」
春「…あ、すまん。何でもない」
そうか。と言って秋羅はさっきまで読んでいた野球のマンガ本にまた目を向ける。
彼の読んでいるそのマンガ本。
実は俺が描いたものだ。
俺がマンガを書いていることは誰にも言っていない。
だからもちろん秋羅や他の奴らもそんなことを知らずに読んでいる。
そして、俺がさっき秋羅の名前を言ったのは次の話に出てくるキャラを考えていたから。
つい口に出していたようだ。
だけど彼ら自身の名前をそのまま使うわけにはいかないからいつもアナグラムで考えている。
春「やしろかおん…。しろ…や、歌音?女っぽいな」
夏「呼びました?と言うか、さっきからブツブツと、何か悩みごとでも?」
春「ん?まぁ悩んでるっちゃー悩んでんだけど、さすがにお前らには相談できねぇんだよな」
俺がマンガ家だってバラしたくねぇし。
特に秋羅にバレるとうるさそうだからな。
冬「どうしても解決しなさそうなときは俺ら頼ってよ?」
春「あぁ、ありがとな。俺ちょっと屋上行ってくるから、次の授業の良いわけ頼むわ」
夏「えぇ、分かりました」
冬「いってらっしゃーい」
秋「いってら」
さーてと、1時間かけて秋羅が喜びそうな話と名前考えるか。
そして俺はまた楽しそうに読んでくれる彼らのために絵を描く。
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