Project | ナノ
「明けましておめでとう、さあ死ね」
「いやもう本当、…帰れ」
「貴様!俺は神だぞ!!何故そんな態度がとれるのか!!」
「貴方がまったく神らしくないからですかね」
「ふん!なにを愚かなことを言うのか。この崇高で誉れ高い俺のどこが神らしくない?」
「ええと、もう全体的にです」
「俺は強大な力を持ち、人知を超えた存在だぞ」
「いや、死ね死ねコールのストーカーの間違いじゃないんですか」
「何を馬鹿な!」
「いや、馬鹿はそちらです」
「ええい、ああ言えばこういう、本当に口の減らぬ女だな!」
「その言葉そっくりそのままお返しします、死神さん」
「俺は良い」
「どうして」
「神だからな」
「もうやだこの神。本当、これのどこが神様?私の想像していた人を助けてくれる神様はどこ?」
「お前の目の前だ。お前をこの俺の手で殺し楽園へ連れ去れるのだったらいくらでも助けてやろう」
「いやそれ完全にバッドエンドじゃないですか、最後死ぬんじゃないですか、ハッピーエンドはどこ行った」
「そのあと楽園で過ごす永遠の幸せが待っている。そうだ、つまりハッピーエンドは存在しない。あるのはただハッピーのみだ」
「却下。ていうか死んだ後に楽園に行ける保障なんてないでしょう、私はそんな賭け絶対嫌です」
「お前、何故神たる俺の言葉をそこまで疑う?」
「…貴方が神らしくないからじゃないでしょうかね」
「言っておくが俺は正真正銘死の神タナトス!!それが信じられぬのはお前のせいだ」
「なんで私のせいになっているんです」
「俺をこんなにも惹きつけ何もかも投げ出して傍に置いておきたいと思うのはお前だけだからだ!!」
「え、」
「故に俺をこんな愛だの恋だの下らぬ感情で神らしくない下賤な身に落としているのはお前のせいだ!」



Was heist das?
(だから死ね)
(…この、死神さんはこれさえなければ…)

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