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 2月14日、バレンタインデー。今から3日、あれ、4日前か? 5日? はっと気が付いた時、すでに机の上のカレンダーの日付すら分からなくなっていた。窓の外はもう薄暗い。夕方だ。私は一体どれくらい研究室に引きこもって文献を漁っていたんだろうと後ろを振り返る。そこに作業をしていたモブリットを発見して日付を尋ねると、彼は眉を落としてため息をついた。「あんたとうとう日付すら分からなくなったんですか……」呆れたような呟きの後、バレンタインから4日経っていることを知る。まずいなあ、すっかり忘れていた。

 「どこに行くんですか、ハンジさん?」
 「一段落ついたから今日はもう帰るよ、ところでまだチョコレートって売っているかな?」
 「どうでしょう。探してみたらまだ売っているかもしれませんね」

 モブリットの言葉に賭けることにして帰りにスーパーに寄ってみる。端っこのほうに大分小さくなったチョコレートの棚を発見して、彼女が好きそうなものを選んで購入、帰宅。


 「遅くなったけどチョコを買ってきたよ、なまえ」


 ソファに座る彼女に後ろから抱き着いてチョコレートを手渡す。そうすれば何故か悲鳴をあげて勢いよく振り返ったなまえが私の肩を押した。
 「やだ、ハンジ!!」
 あっははは、やだってひでえ! バレンタインをすっかり忘れていたのは謝るって!
 「いつからお風呂入ってないの!!」
 え? えーと、4日くらい前からか? 5日か? 頭をかきながら答えると、なまえの顔が蒼くなった。

 「お風呂入ってから来てよ!!」
 「あははははリヴァイみたいなこと言わないでよ〜」

 
 だけどお風呂に沈めて来たり蹴り飛ばしたりしないで、それどころかお風呂あがったら待ってるからなんて頬染めて言ってくれるあたり、愛だよね、愛!

 (他に例をみませんね/背骨様)

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