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「兄さん。」

「ん?
どうしたんだいリア?」

「これからミロやカミュ達とランニングに行くんだ。
兄さんも一緒にどう?」

「あぁ。

……いや、もしかして彼女も来る、の…?」

「彼女って…」

「なまえ、だよ…」





顔に出ていたのだろう。

アイオリアが眉をハの字にして言った。



「なまえの事苦手なんだね。」

「苦手と言うか相性が悪いと言うか…」

「なまえは確かに慣れるまでは取っ付きにくいかもしれないけど、とても良い人だよ?」

「…リアにはあれが良い人に見えるのかい?」

「逆に聞くけど、どうして兄さんには彼女が良い人に見えないの?」

「だって……彼女あんまり笑わないし。
それだけでも苦手なのに女の子らしくないだろ?
あれこれ文句を付けてくるし、つっけんどんだし、それに…」

「に、兄さん…」

「私の事、そんなに嫌いだったのね……!」



驚いて振り向くと、そこには話題の人、なまえがいた。

何もこんなタイミングで現れなくても…

心なしかいつも不機嫌そうな表情がさらに冷ややかだ。



「なまえ、これはその…」

「いいのよリア。
私気にしてないから。」



とか言いつつ凄く不機嫌だぞ?!

これはすっごく気にしてる証拠だろう?



「なまえ、本当にすまない。
君はとても良い人なのに。」

「もうリア、そんなに私を庇うとアイオロスが拗ねちゃうわ。」

「なっ、私は拗ねたりなどしない!
そもそも君は私を嫌いなんだろう?
私も君が嫌いなんだからわざわざこんな所まで来なくてもいいじゃないか!
リアが優しいからって付け込まないでくれ!」



クスリと笑うなまえがカンに障る。

挑発しているのか?

いつもいつもそうだ。

私も気付いたら言葉が口をついて出てきていた。


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