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いつも甘い匂いがしているのはお菓子をよく作るせいか、それともなまえ自身の匂いか。

そういえばなまえが来てからシャカもよく香辛料やお菓子の匂いをさせるようになった。

…羨ましいな。

そうだ、アテネに出掛けたら食事もしよう。

美味しいお昼を食べて、デザートも付けて。

女の子が可愛い服を着て甘い物を食べて笑顔になったら最強だと思うんだ。

多分、たいがいの男はメロメロになっちゃうんじゃないかな?

私ならそうだ。



「…………あの、ロス。」

「なんだい?」

「あんまり見られると、なんだか気になる。」

「気にしなくていいのに。」

「見てても面白くないでしょう?
何かあれば呼ぶから。
ロスも自分の用事をするといいよ。」

「とんでもない。
見ているだけでも楽しいよ!」

「………そう。」



なまえは俯いてまた作業へと戻る。

どうしたんだろう?

…照れてるのか?

日本人はシャイだというけど本当にそうだな。

私としてはもっとフランクに接してほしいのに。

きっと相互理解が足りないせいだ。


今日の夕飯はなまえを招こう。

よし、そうと決まればリアに相談しようか。



「なまえ、私は少し出てくるよ。」

「うん、分かったー。」



振り向かず、何か書きながら答える。

うん、一生懸命ななまえも可愛い。



「まだ作業するんだろう?」

「ロスの邪魔じゃないなら。」

「よかった。
好きなだけいて。
夕飯はうちで食べていくと良い。」

「は?え?
ちょっと…」

「それじゃあ私は準備があるから行ってくるよ!」

「あのっ、ロス!?」



いてもたってもいられず駆け出す。

さあ、何を作ろう。

なまえが喜ぶ物が良いな。


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