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<アイオロス side>



さて、なまえが帰ってくるまでにコーヒーの準備をしよう。

せっかくだから何か甘い物でも…


甘い物、とキッチンを探す。

ハチミツ、メープルシロップ、砂糖、チョコレートシロップ、ジャム…

そのままでは食べられない物ばかりだ。

なまえは甘い物が好きらしいから何か用意してあげられればと思ったんだけど…



「ロスー、勝手に入るわよー。」



なまえが戻ってきた。

とりあえずコーヒーだけ出そうか。



「あ、ロス。
とりあえずこの壁、同じ材質の所から持ってきて直そうかと思うの。」

「なまえの良いようにしてもらって構わないよ。
はい、コーヒー。」

「ありがとう。
それじゃあさっそく始めるね。」



コーヒーを受け取り壁の前へ座り込む。

なまえはバインダーに挟んだ紙にメモを取りながら作業をしている。



「………」



一生懸命にしているなまえに声が掛け辛い。

コーヒー、私の分もあるから一緒に飲もうと思ったのに……



とりあえず邪魔にならない所にいよう。



…ああ、やっぱりなまえは可愛いな。

いつも無彩色なスーツばかりでもったいない。

そうだ、今度お礼も兼ねてアテネに買い物に行こうか。

きっとなまえは花やリボン、レースやシフォンがとても良く似合うだろう。

スカートもふわふわの、くるりと回ると裾が広がるのが良い。

髪もきっちり結い上げてばかりだけど、降ろしても可愛いに違いない。



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