※R15



よく分からないけれど、この人の唇は魔力のような物を持っている。形が綺麗なだけではなくて、厚過ぎず薄過ぎない暑さの唇は感覚は適度に柔らかい。唇だけではなくて、その唇から発せられる声は淫猥でただ話しているだけなのに甘ったるいのに加えて憂いを含んでいるようにも思われる、まぁ思うだけであって実際口から発せられるのは酷い言葉ばかりなのだけど。
「何考えてんだよ」その形良い唇が開閉してから、言葉が紡ぎ出される。その声色は不機嫌丸出しで色気の欠片も見あたらなかった。

「さっきの質問の答えを探してて」

そういうと、だらしなく中途半端に脱ぎかけの服を霧野は一気に脱ぎ捨てた。
冷たくなってしまった掌を、既に裸体となっている南沢の腹に当てると体がビクリと震えた。それがおもしろくて、霧野はもう片方の掌も押し当てた。
止めろと南沢は手を払ったけれど、もう一度しつこく押し当てた。既に掌は南沢の体温で温くなっていたから、今度はそこまで抵抗はされない。
いたずらに霧野は南沢に覆い被さった。解いた髪の毛が重力に従って肩から流れ落ちる。それが妙に色っぽさを醸し出していて、南沢はこの光景が好きだった。

「その質問って、何で人はキスをするかってやつ?」

体をまさぐる手に意識を持って行かれないように、口を動かした。霧野の手は、腹部から下部をゆっくりと味わうようになで回している。細い指が、自分の意志とは関係なく自分の体を這う感覚が気持ち悪くて気持ちいい。昔、Mの素質があると言われたことがあるのを、なんとなく納得してしまいそうだ。正直、この行為は痛いことが大半だったり負担が多いけれど、それでも癖になるほどに快楽もある。
体の至る所に霧野の唇が押し当てられる。その箇所だけが異様に熱を持った。

「それです。だって妊娠もしないし、正直意味はないでしょう」

再び手を止めて、南沢を見た。熱を孕んだ目で見つめられるが、それを無視して会話を続ける。
意味が無くてもそれでも人はキスをするのは何ででしょうかねぇ。どう思います南沢さんは?。そんな質問を質問してきた本人にしてみたら、「知るか」と冷たく一蹴される。それでも徐に南沢の肌を遊びながら、繰り返し言葉を換えて意地悪く質問してみたら、そろそろ耐えきれなくなったのか首に腕を回して誘ってくる。
「分かんないけど、キスしてればわかんじゃねぇの」そう言いながら、腕に力を入れて引き寄せられて、キスをされた。少し激しく、舌が入ってくる。先輩甲斐性がないなぁ、と思いながらも霧野はそれに答えた。
唇が離れると「何でキスするか分かったか?」と南沢はいやらしくわかった。唇は唾液でてかてかと光っていて、とても嫌らしい。どっちかと言うと、キスよりも唇の方が好きだし気になる。

「分からないのでもう一度、キスさせてください」
「キスばっかりは勘弁してくれよな」

てかてかした唇が動くのに目を奪われる。やっぱり唇が好きだ。

















力尽きた。長文書けない

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