練習が終わってから着替えが終わると、ジッと神童が見ていることに気付いた。何だ、と聞けば暫く黙ったあと徐に「最近、狩屋と喧嘩しなくなったよな?」と言ってきた。
そう言われて、何と言っていいのか分からずにぱちぱちを瞬きをした。黙りこくっていると、神童が「だって最近狩屋の愚痴をしなくなったし、喧嘩してるところもあんまり見なくなったよな」と確かめるように説明してくた。

「あ、まぁ」
「霧野も狩屋もよく笑うようになったから安心したよ」

神童は2人の仲を知っているから、それも含めて言ってくれているのだろう。
確かに1年も付き合っていれば、お互いの好き嫌いぐらい殆ど把握したしあちらから喧嘩を売られても軽く流せるようになっていた。
なんだか泣き虫だった神童に笑うようになった言われるのも不思議な気分だ。だから「お前だって笑うようになっただろ」と言えば「そうだな」と2人でくすくと笑う。本当に2人とも笑うようになった、

「先輩、何してるんですか?早く帰りましょう」

扉が開けられて蒼い色の髪が見えた。
慌てて神童に「あ、じゃあな神童」と言ってから、ベンチに置かれていた鞄を持ち上げてから部室から出る。
同じ大きさの鞄を持って狩屋が経っていた。不機嫌そうにしている狩屋に「ごめん、遅れた」と一言詫びて歩き出す。

「もうすぐテストだけど、狩屋ちゃんと勉強してるか?」
「大丈夫ですよ、ちゃんと文武両道出来てますから」
「確かに、お前頭は良さそうだよな。良い意味でも悪い意味でも」

もう少ししたらテスト期間だから、部活も停止。会う時間も少なくなる。
「今回は進路に関係するテストなんですよね。先輩、どこに孝行するんですか?」と言われて、昔の先輩を思い出した。思わずフッと笑ってしまう。
高校なんて、あんまり深く考えてはいないけれど何校か絞っている。それと、サッカーの推薦もある。

「どこが良いかな。まだ決めてないんだけど」
「あとちょっとで決定なのに、そんなにのんびりしてて良いんですか」
「平気平気」

へらへらと笑いながら霧野は言った、
テスト前は学校も早く終わるから、先輩の家で勉強を教えて貰いたくてお願いをしてみら、いいよ、とあっさり承諾された。
さっき、先輩2人がしていた会話を思い出した。本当に喧嘩しんくなったな、と自分でも言われてみて思った。そして思ってみれば、それがなんだか少し寂しい。





















アニメの啀み合いがもっと見たかったなって

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