※蘭マサ前提注意[R16]
こちらの続編で高校生設定



浮気というのか言わないのか境界線があやふやな関係になって数年とちょっとが過ぎた。個人的に言えば浮気では無い、会うだけ、キスは一度したっきりでそれ以降は本当にただ会って、話すだけ。進級進学しても狩屋は霧野はまだ別れてはいなかった。
性格が似ているのか、話は合い一緒にいて楽しい。話題はいつも同じ、霧野のことが殆どだった。悪口や愚痴や笑い話、女子高生が話すみたいにひたすら意味もないことを、チェーン店のハンバーガーショップなカラオケに行ってから話す。
コーラの入ったグラスを狩屋が持って口に運んだときに、袖がずれて手首の見えていた肌の面積が増加する。殆どは同じ、日に焼けた少し黒い健康的な肌色だったけれども、少しだけ赤い痣のようなものが見えた。

「狩屋、腕怪我しているのか?」
「ああ、これ霧野先輩の付けられたんです。本当にあの人暴力的というか力の加減を知らないんですかね。体中が傷だらけですよ」

そう言いながら、狩屋は手首をもう片方の手でさする。肌に絡みつくような赤い指の痕。無理矢理では無いのに、必要以上に強く握られたのは今回だけじゃなくて、それが普通になるくらいだ。
その様子を見て、南沢は懐かしく思った。昔、そう言う関係だった時に自分も同じようなことをされていたのを思い出す。歯形、痣、そんなものが身体のあちこちに出来たのが遠い昔のように思えた。すっかりと消えてしまっていて、今は何もない自分の手首を眺めた。嫉妬なんてそんな感情は抱かない。
ジュースを飲む狩屋を観察する、コーラが減って、のど仏が動いて、またコーラが減る。その動作をするたびに袖がめくれて痣が目に入る。痛そうだと哀れだと思うけれども、それは当人はちっとも思っていないはずだ、自分もそうだったから。

「別に今は痛くないし、どうってことないですよ」

ほらやっぱり、と内心思ったが口には出さないで南沢もグラスを手に取りコーラを飲み込んだ。グラスに付いていた結露した水分が、掌に付着して肌が濡れる。
だけど、と狩屋は言葉を続けた。

「たまには優しく抱かれてみたいですね」

男が抱かれたいというのは可笑しいと自分でも思っているが、たまには優しくされたいと稀に思う。男も女も全部ひっくるめて付き合った経験があるのは霧野先輩だけだから、優しいセックスというものを経験したことがない。からかい半分に狩屋は南沢を見つめた。
それを聞いて、南沢は「抱いてやろうか」と囁いた。驚いた狩屋の目としっかりと視線が交わる。だけど直ぐにまたいやらしい笑みを浮かべた。

「良いんですか」
「キスをした仲だろ、今更だ。いっそのこと乗り換えてみるか?」
「それは遠慮します」

そんな会話をしてから、店を出て狩屋の部屋に入り込む。入って直ぐに狩屋は服を脱ぎだした。露出していく肌には、やはり赤い様々な形をした痣が点々と存在していた。ベットに腰掛けてそれを眺めていると、ほとんど裸体に近い格好で狩屋がベッドに寝転がった。
狩屋の身体は、筋肉質ながらも程良く肉付きがあって綺麗だった。本当に良いのか、と確認すると、悪戯に笑いながら「今更怖じ気づいたんですか?」と言って、手を首に回してきた。それを合図に、出会って2回目のキスをして、肌に触れた。
彼が付けた傷を労るように触れて、なで上げた。くすぐったそうに狩屋は身体をくねらせる。焦らさないで下さい、と言ってきたけれども、南沢は優しくするのが目的だからとやんわりと断った。
これは浮気だろうか、と思ったけれどもそんなことはないだろう。これは治療だ。











亀さんリクエストで蘭マサ前提で皆マサ[R16]
R16ってこれくらいですかね・・・・アダルトな雰囲気は書くのは楽しいです

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