▽不動と小遊鳥


何て顔してんのよ。うっせーよ、ほっとけ。目の前で泣かれて放っておける程非情な人間でもないのよ。
まぁ、とりあえず早く中入んな。そう言って、私のアパートの扉の前に座り込んでいたアホを部屋の中に招き入れた。というか、堂々とドアの前に座られていて、泣いているのを無視しろなんてどんなに空気が読めない人間でも不可能だって。理由聞かないのか?そういった顔は情けなくて、コレが一緒に真帝国を率いてきたひねくれ者の姿なのかと思うほどだ。身長は私よりも頭1つ半大きくなっているのに潮らしくなって縮んでしまったような感じ。
負け犬みたい。心でそう思ったけどさすがに言えないで、話したくないなら聞かないからさっさと泣きやんで出て行け、とだけ言ってやる。慰めもしないし支えたりもしないし、そんなことをバカは望んでいないことぐらい承知している。
ああ、まぁ、じゃあ気が向いたら話す。そういって、人の家のティッシュペーパーを勝手に引き抜いて鼻をかんだ。涙の後も綺麗になくなって元通りだ。
今日泊まるから。決定済みなの?。別に断る理由も無いから良いだろ、泊めろ。はいはい、わかった。マジ、ごめん。良いから、早く立ち直れ負け犬。
あ、言っちゃた。







▽ヒロトと玲名とリュウジ
誰も誰とも付き合ってない設定(基緑・円ヒロ要素)



いつまで手元に置いているのだ、と言われたとき何をか主語がないから分からなかった。え、何を?と聞き返せば綺麗な顔の眉間に数本の皺が作られた。リュウジのことだ。そう言われてヒロトは笑うしかなかった。
置けるだけおいておきたいよ、彼が出て行きたいなら引き留めないけれど。そう告げれば、更に彼女の眉間の皺は深く刻まれる。リュウジがお前に懐いているのを知っていてそれを言うのか。うん、そうだよ。辛いのはお前だろ、振り向いて貰えないことを承知で秘書として側に置くなんて。別に一緒に入れれば良いんだよ。
「何で」
そこで彼女は言葉を切った。ああ、美しい顔が台無しじゃないか。
俺は最低な人間なんだよ、円堂クンは結婚してしまったけれど好き?・・・恋愛感情とか友情なのか分からないけれど、好きなんだ。俺を救ってくれたのは彼だからね。だけどリュウジは俺を支えてくれた、グランとして底に落ちて汚れてしまった俺を見つけて綺麗だと言って側にいてくれた、彼も好きなんだ、えっとこれは多分恋愛感情なのかな。2人とも好きなんだ、選べないくらいに。円堂クンが結婚したからリュウジを選ぶ、そんなことは出来ないんだ。中途半端なまま告白して付き合うなんて失礼だし、それにどちらも失いたくないんだ、恥ずかしい話、やっぱり振られるのは怖いんだよ。だから手元に置いてそっと見守っているだけで満足なんだ。
「だからって」
また言葉が続かない。
「本当にお前は意気地無しで二又で最低だな」やっと出て来た言葉はそれでヒロトは苦笑した。「うん、最低だよ。だから、俺は君に似合わないよ。もっと他に良い人が居るさ」「誰がお前なんか最低な奴を好きになるか」彼女は泣かない。ただ不機嫌そうに眉間に皺を寄せるだけ。






こんな感じの文体どうですかね?
日記ログ












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