微妙に注意




部活終わりに着替えていると、隣から視線を感じた。戸締まり当番は2人で、自分を除けば1人しかいないから、視線を送ってくる犯人は考えなくても分かった。同じように着替えの途中で、ユニフォームを脱いでいて上半身が裸の狩屋がジッとこちらを見ている。
「別にいかがわしい意味ではなくてさぁ、俺、剣城くんの身体好きだな」そう言ったかと思うと、狩屋は手を伸ばして剣城の身体に触れた。汗で冷えた指と皮膚が触れ合う。触る手つきがいやらしい。掌で撫で回すというよりも、掌を押し当てられている感覚。

「気色悪い」
「酷い言いぐさだね。だけど、好きな物は好きだから仕方ないよ。いつも抱かれる時に思っていたんだけど、やっぱり好きだな」

身長も高いし身体も意外とがっちりしてるし男っぽい。頭1つ分くらい違う彼を見上げればばっちりと視線が重なってしまった。にこりと笑いかければ、フッと鼻で笑われてしまう。なんだかんだで彼は優しくて、俺に甘い。
いつもなら押し当てられるロッカーに珍しく狩屋が剣城を押し当てる。両手を添えて逃げ道を無くしたが、体格では劣るし抵抗されたら簡単に逃げ出されてしまうだろう。
フフフと如何にも悪いことを企んでますって声を出しながら、狩屋は剣城の身体を触る。

「腹筋もさり気なく付いてるし」
「鍛えてるからな」
「今筋肉付けると身長伸びないって知ってる?」
「そんなに激しく鍛えてる訳じゃないから大丈夫だ」

それに十分お前より身長高いからな、と言えば、ムスッと不機嫌な顔になる。あまり大柄とは言えない身長を少しはコンプレックスにしていることは知っていた。触り心地良いから気にするな、と嫌みとも本音ともとれる言葉を贈れった。
腹部、特に腹筋を触るのを止めると、狩屋は下へと手を動かした。さすがに剣城も慌てたけれど、大丈夫、と狩屋は笑って軽く撫でるだけで脚へと手を移動させた。
腹部とは違う堅さ。これがエースストライカーの脚だと思うと流石とも思えるけれど、不思議にも思える。こんな脚からあんな凄い技が出せるなんて。

「脚が一番好きだな。流石エースストライカーだよね、綺麗な脚」
「それはどうも」
「折ったりしたらどうなるんだろうね」

そう言った狩屋を思わず、襟首を掴んでロッカーに押しつけていた。「冗談に決まってるでしょ」と意地悪く言う狩屋を見ると、怒る気も失せて掴んでいた襟首を話した。
やっぱりこっちの方が落ち着く。押しつけるのもいいけれど、やっぱり押し当てられる方がしっくりくる。ふふっと思わず笑ってしまって、剣城に睨まれた。
そっともう一度腹部を撫でる。程良く引き締まった身体を見ると、どうしても身体が疼いてしまって、狩屋は膝で軽く彼の脚の付け根当たりを刺激した。










みず菌さんリクエスト:仲良し京マサ
アダルティ

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