蘭丸が性格悪いので注意




恋人がいるのにガチャガチャと携帯を打っている狩屋から、携帯を奪い取る。慌てて狩屋は手を伸ばしたが、ひらりと避けてから携帯画面を覗き込む。人の携帯見るなんて最低ですよとか云々言ってくるけれど無視。「どうしても付き合ってくれないの・・・・?」どうやら告白されていたみたいだった。

「お前告白されてるのか、物好きもいるんだな」
「分かったら返してくださいよ」

そう言って手を伸ばして再び携帯を奪還しようと狩屋試みるが、またひらりと避けられる。身長差があって背伸びをしても届かないし、腕のリーチも霧野の方が長くて手は届かない。
耳元で喚く狩屋を牽制しつつ、どんどんメールを遡っていく。何通にも渡ってしつこく告白してきた子は文体を代えながらも同じようなメールを送っていた。どうして駄目なの?好きな人いないんでしょ?とか、そんな感じのメールばかり。よほど好かれているようだ。

「凄いしつこいなこの子。狩屋何したんだよ?」
「別に何もしてませんって。話したことも全然無いし、メアドだって教えてなかったんですよ。どこかのバカが勝手に教えてから、それからずっとそんな感じのメールばかりで、振っても駄目で」

狩屋は奪い返すのを諦めたのか、また椅子に座り直してそう言った。狩屋が言ったので、今度は送信ボックスを漁る。狩屋が書いているとは思えないほどの丁寧なメールだった。好きでもないのに付き合う事なんてできないとか云々を書いていて、こいつでもこんなこと書くのかと思うと可笑しくなった。
一頻りメールを読んでから、霧野は狩屋に聞く。「この女と俺、どっちが可愛い?」それを聞いて、はぁ?と思わず言ってしまった。普段は可愛いなんて言ったら色々と酷い目に遭わされるのに、自分で言うなんて思ってなかった。驚きながらも、先輩の方が何倍も可愛いですよと言ってみたら、「そうか」とだけ言って、勝手に人の携帯をまた弄くり始めた。
先輩が可愛いのはお世辞でもなくて、告白してきた子も可愛いかと言われればブスではないけどどちらかと言えば地味系。だからこんなにしつこくメールしてくるなんて正直思わなかった。一度丁重にお断りしたら泣いて帰ってくれると思っていたのに、面倒な女でお遊びでも付き合わなくて良かった。

「送信」

ボーッとしながら、先輩が携帯を弄っているのを眺めていたけれど、その言葉で意識が戻ってくる。さっきの執着心はどこへいったのか、霧野は携帯をあっさりと狩屋に投げて返してきた。
ようやく返ってきた携帯のメール送信ボックスを開いた。そこには、書いた見覚えのないメールが一番上にあった。

「しつこんだよ、ブス。お前に俺は釣り合わないって分かんないのか、バカ。整形して性格良くして出直してこい・・・って、先輩なんてこと書いてるんですか!」
「お前が思っていること代筆してやっただけだろ」
「先輩は良いかもしれないけど、俺は評判がた落ちですよ!折角猫かぶって良い子演じてたのに・・・」

悪い虫も寄ってこなくて良いじゃないか、とけらけら笑っている先輩を見たら怒りが湧いてきた。何処までも自己中心で、からかって遊ばれて、最低だ。「先輩ってさいてー。まださっきの子の方が良かったかもなぁ」後悔しても後の祭りなんだとけ、現在の状況ではそう思っても仕方ない。










2名のリクエストで嫉妬蘭マサ
これでも嫉妬しているのですよ、蘭丸は・・・・

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