正夢だと思った。この光景、この店でなんかハンバーガー食べて飲み物飲んで剣城と話している光景をなんだかつい最近に見た気がする。実際は部活で忙しくて2人一緒に来たのは一ヶ月くらい前。 剣城の会話をしながら、やっぱり夢で見たと思ったのは確信に変わっていった。さて、それではここからどうなったのかという事を思い出していく。ハンバーガーを一口大口でかぶりつくと、それを咀嚼しながらマサキは思い出していく。 抽象的にしか思い出せないが、食べて話してそれからキス。キスなんて何回だってしたことあるけど、夢で見ると何かが違って恥ずかしいやら照れくさいやら。思い出したら恥ずかしさでマサキは顔が若干火照るのを感じた。 「話聞いてたか?」 「え、あ、ごめん」 「疲れてるなら今日は早く帰るか。明日も部活あるから早く寝ろ」 夢の中でこんなシーンは有ったかと思い出してみるが、夢はあまりにも抽象的で会話の内容までは思い出せなかった。 妙なところで真面目め、と心の中で思いながら、席を立ち上がろうとした京介に慌ててマサキは声を掛けた。「ちょっと他のこと考えていただけだから大丈夫だって!」そう言えば、そうか、と少し嬉しそうに口角を注意深く見なければ分からない程度に上げて薄く京介は笑った。 もう一度、元の席に座った。 「で、何を考えていたんだ?」 「夢、かな。今日の正夢みたいな物を見たから、この後どうなったかを思い出してた」 「正夢だったら、この後はどうなる予定だ?」 言うか言うまいか悩んで、マサキは平常心を心がけながら「キス」とだけ言った。京介はそれを聞いて一瞬面食らったが、すぐにいやらしく笑った。自分だけ百面相しているだけで、彼はちっとも表情が変わらないのにマサキは面白くなかった。なるようになれ。半分やけくそになって京介の着ている服の胸元を掴むと自分の方に引っ張って、テーブル越しにキスをしてやろうかと企んだ。 リクエストで、バカップル京マサ。何だかキャラが違うような気がする。今年最後の更新かな。 |