*:オプティミストの幸福路


溺れたそらの向こう側
罷り通る人の群れ
掻き分け進む少女はそう
片翼広げたオプティミスト

「あぁ ワタシのいとしい弟は
今日もあのこと踊ってる
灰翼ちらつかせて嗤うなら
それよりもっと
素敵なことしましょ」

さぁさ手をとって

なにが楽しくて
なにが苦しくて
なにが虚しいって言ったって
わからないんだ 今はもう
そんなことすら どうでもよくて
キミが知っている
ワタシの知らない
ことの全てを どうかどうか
早くききたいの 笑みをさ、
みせて みせて
ワタシにみせて

「あら 実に愉快な行進ね
列が乱れてだらしないわ
そんなにじぶんが欲しいのなら
いっそのこと
ひとりになればいいのに」

だってそうでしょ?

ゆめが見たいって
ほしが恋しいって
あいに溺れたいって言うのなら
抉り出す前に地を這って
その泥水掻き分ければいいだけ
あしたが溶けて
きょうが泣いて
きのうの熱が孕んでも
怖がらないで ワタシの元へ
きてよ きいてよ
焦らさないでよ

めいめい
鳴子の音でおやすみよ
虚ろはキミを迷子にする
めえめえ
羊が宙に舞ってる
ようこそ ここは
灰のエリュシオン

「世界は楽しい」
せかいはたのしい!
「皆も嬉しい」
みんなはうれしい!
「あの子も笑うし」
あのこはわらうし!
「でもキミは本当に 愛しい?」
「まだ辛い」
「怖い」
「痛い」
「寒い」
「まだまだまだまだ」
「不安の種が」
「溢れかえるよ」
「その目で見える?」

「天使とか 悪魔とか
神様とか あるいは別のもの
考えるだけ ムダじゃない
弾けそうだっていうなら
ワタシが あなたに
ひとつだけ 逃げ道を
教えてあげましょう」

さあさ 声をあげて

どれだけ逃げて
どれだけ泣いて
答えが出ないと言ったって
無いものにただ怯えないで
違うでしょ 必要なのは
見える球の上にあるのよ
世界に落ちて
全て悟って
一緒に終わりを迎えましょ
来世はもっと しあわせに…
なれたら
なれたら
…そしたら、

なにが楽しくて
なにが愛しくて
なにが嬉しいといったって
わかったのでしょ?今ならそう
あの空だって思いのままよ
キミも知っている
ワタシの心の
抉り出した奥の部分 さぁ
みたら これにて
「サヨウナラ」





××××××××××××××××

「2つ目の環の中、片翼の少女は言った。世界なんて笑ってしまえば良いのだと」


変なテンションで作った曲です。
次から*シリーズの曲はタイトルに「
*」付けておくことにしました。


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