とりあえず全速力で走って行って土下座した。

「すみませんでしたぁああ!彼は鉢屋三郎って言って僕の友人で馬鹿なだけなんですっ!ちょっとお調子者っていうか…!僕が止められなかったばっかりにすみませんっ!あ、これ昨日の代金です。僕が自由に使えるお金全部持ってきたんですが、足りなかったらもう少し待って頂けるなら何とか用意しますので!ほら三郎、謝って!」
「ぇ、お、す、みません、でした」

放心状態の三郎の額を叩く為一度顔を上げ、それからまた土下座した。矜恃とか気にしてる場合じゃないし!
数秒そのままで居ると視界の端でアヤメさんが動くのが見えて、驚く程優しく肩の近く、背中の肩甲骨の辺りを手で叩かれた。

「顔上げて。不破君の友人なら、別にいいから。お金も貰ったし…てか、多いぐらい。その歳で親にも頼まずよくこれだけ持ってたね。お金持ち?」

恐る恐る顔を上げると、アヤメさんは困ったような笑顔で僕を見ていて、心臓が大きく跳ねた。

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