「でさー、明日海行くじゃん?」
「唐突だな」

メロン味のかき氷を食べながら特に脳内で何か考えていたわけでもなく切り出せば、岳人に突っ込まれた。気にしない。
ジローが寝てる間に俺達がかき氷食べてることに後で怒るだろうなってのも気にしない。何故なら起きないジローが悪いからだ。

「俺途中でナンパの旅出ていい?」
「おい」

顔と声で却下された。何故だ。

「何でお前、断られた理由わからんみたいな顔してんだよ?!朔人は三人で海で遊びたいんじゃなかったのか?!」
「やー、そりゃメインはそれだけどさ、海で水着の可愛い子が居たら、男として声掛けるだろ。むしろそれが礼儀だろ」
「ねぇよ!」

全力で否定された。解せぬ。
だってさー、女の子は大変なんだぜ?水着のタイプだけでもワンピースやらビキニやら背中がばっと開いてるのやら、しかも可愛い系とか綺麗系とか、さらには色に柄。盛れる盛れないは男として知らないふりしても、女の子の水着選びは大変なんだ。高いし。そこはちゃんと反応するべきだろ、うん。
男は海パンだけだし、多少色と柄考えればそれでいいし、マジで楽。友達同士で買いに行く必要ないぐらいの早さで決まる。

「仕方無い、じゃあ砂の城を作ろう」
「急に地味になったな。いいけど」
「後、砂風呂やろうぜ。灼熱地獄」
「お、いいな!面白そう!」

やっぱりこの糞暑い日に海の話はテンション上がるな!俺、岳人の家からまた外に出た瞬間死ぬから!暑さには滅法弱いから!白熊みたいな!

結局ジローは、俺と岳人は三杯目のかき氷を食べながら話し込んでいる時やっと起きた。既に夕方だった。どんだけだし。

             


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -