「あ、リョウさんだ!おはようございまーす!」
「あ?…おう」

リョウさんと初対面した次の日の朝、偶然にもリョウさんを見つけたため駆け寄った。
まではよかったものの、リョウさんに何やらじっと見つめられている。何だ何だ。…はっ!まさか俺が誰かわかってない?!

「日達朔人です!」
「あんな濃い出会い方した奴忘れねぇよ」

呆れ顔のリョウさんに、ですよねーと笑う。でもじゃあ何で?と首を傾げれば、突如頭を掴まれた。痛っ!てか怖っ!

「な、なな何?!やっぱりリョウさん不良なの?!怖い人なの?!」
「やっぱりってどういう意味だおい」
「さーせん…!」

俺があわあわとリョウさんの機嫌を損ねないようにと頑張っていると、リョウさんが笑った。

「お前さー、俺に女顔とか言ってたけど、」
「言ってません!言ってはいません!」
「うっせぇな。お前それ墓穴掘ってるから黙ってろ」
「さーせん!」

日達朔人、特技は墓穴を掘ることです!とさらにボケを重ねるのも有りだと思うが、ここはリョウさんの話が気になるので大人しく聞きます!

「日達も女顔ってか…犬顔じゃねぇか」
「犬?!」

そ、それって褒められてんの?!犬顔ってどういう意味?!犬種による…!褒められてるか貶されてるかは犬種によるぞ…!ハスキーとか格好いいよね!

「リョウさん、俺の犬種は…っ!」
「ぶっ…!お前、犬でいいのかよ!」
「犬種によります!」

ゲラゲラと笑っているリョウさんはわかっていないらしいが、これは結構重要な問題だぞ…!君ゴールデンレトリバーに似てるねって言われるのと、君ブルドッグそっくりだねって言われるのの印象の違いを考えてみろ?!

「あー…ダックスフンド?」
「一応聞きます。それは遠回しにお前脚短ぇんだよっていう陰湿な苛め発言じゃないよね?違うよね?」
「顔の話だって」

笑いを堪えながらも否定してくれたリョウさんにほっと息を吐く。パグとか言われなくて良かったぁ…。
ふむ、ダックスフンドか…格好よくはないがダックスフンドってあんまりはずれいないよな。皆大体同じ顔っていうか、総じて結構かわいい。

「ならいいや」
「いいのかよ」

今日はリョウさんと仲良くなれた気がしました。

             


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